物欲ブログです。主に靴や鉄道旅行、サッカー、Mac、iPod…の情報・話題など 靴の「加水分解」〜靴の持病
ちょっと前に書いたいびつな足に靴・J.サイベルというエントリで
「ところでこの写真の通り、いつもは新品状態で撮影しているのに
この靴はなんだか既に履いた形跡がアリアリなのは何故…
…というのはまた機会がありましたら(笑)。それが"運命の出会い"なのですが。」
とJ.サイベルとの出合いについてちょっと触れていたのですが、
実はこれはソールの加水分解で泣きを見た為に、旅先で靴を調達せざるを得なくなったのでした。
「加水分解」
スニーカーのコレクターの方や、靴に詳しい方ならご存じでしょう。
我々のように"履き易い靴"を探して苦労している人間にとっても身近な現象です。
ウレタンソール(またはウレタンパーツ)が経年劣化して、
空気中の水分等によって分解され、ぽろぽろと崩れてしまうことを指します。
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優れたクッション性や磨耗に強い性質が売りのウレタンは、
いまやスニーカーやコンフォートシューズの素材としてはとてもメジャーな存在です。
ところが靴を履いていようが未使用のまま放っておこうが
遅かれ早かれウレタン素材はいつか風化して使い物とならなくなってしまいます。
むしろ大事にしまっておくよりも、どんどん履いて新鮮な空気に当てたり、
伸縮させたりした方が長持するとも言われています。
かつて高額のプレミア価格で売買されたり、恐喝・強盗の対象となった
某ナ●キのシューズももちろん大抵のモデルはいつかは粉々になってしまいます。
地球に優しいのも確かなんでしょうが、
何足もの靴をとっかえひっかえ履いている人間にとっては脅威です。
靴だけでは無く、ソルボの中敷なんかもマズいようです。
そしてこの加水分解の恐ろしさは
ひたひたと忍び寄り、昨日まではなんともなく見えていた靴を密かに蝕み
履いて出た後、突然手の施しようのない状態で発症するというところです。
人間の病にも似て、しかも不治の病なのです!
靴箱から出して曲げてみた。家の中で履いてみた。しばらく歩き回ってみた。
よし、大丈夫。
と、外出して、そこで突然足下が崩れると言う悲劇を起こし続けてきました。
ウチの母は久々に出したレインシューズで外出して、
歩いているうちに靴底が崩壊し、ぐしょ濡れの裸足状態で帰って参りました。
そんな感じで海外旅行に、オークションで買ったカンペールの靴を履いて行きました。
…なんで中古買ったんなら、しばらく試し履きをしなかったのか…!
で、空港で「アレ? 私の歩いた後に黒い粉が落ちている?」と気付き
売店でゴム用接着剤を買って塗りまくるも、
一歩歩く毎に足もとがフカフカした感触になって行きます。
とうとう機内でソールが前の方からぱっくり割れて外れて来ました。
カバンの中に靴を入れるとぽろぽろした屑でカバンがよごれるのでビニールに。
そんな感じで飛行機がアムステルダム・スキポール空港に着いた時には
すでに中古カンペールは履けなくなっていました。
あの広い広いスキポールのサテライトをスリッパで歩くのは大変でしたよ〜!
ウィーン・シュヴェヒャート空港に着いて、預けた荷物とターンテーブルで出会って
まずその場で予備の靴を引っぱり出して「やっと歩ける」となんと安堵したことか。
ただ、それは普段履きではなかったので石畳の1区を歩くのはキツかったんですよ。
もともと靴を買って帰ろうと思ってはいたのですが
ま、そんな事で旅行中すぐにそれを履くこととなってしまったのです。
最初の数日、妥協せずにオペラ用の靴で歩き回ったのは根性でしたが、
おかげでサイベルの靴に出会えた事と、
それをすぐにガンガンに試せたのは結果としては良かったんですがね。
しかしそれ以来、ウレタンソールの悲劇的体験談を見ると泣けて来ます。
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